気まぐれTips

猫を人間にたとえると... (猫 腎不全)


猫年齢を人間に変換するアプリや左のような一覧表は,
  インターネットで検索すると,よく出ています.

猫は,水あまり飲まないために,腎不全になりやすい動物ですが,
  猫のクレアチニン(Cr)とその予後の計算域の報告は,
  人間と違って少なく,また猫のCrは、0.7〜2.5と
  人間と比べると基準値の幅が大きいことが特徴です.


猫の腎機能については,変換値は調べていませんが,
  ヒトと同じように,1/Crで表を作ってみました.


治療開始前の1/Crの回帰直線について,
  傾き(後述)が急で,
  黒色の直線を示しています.

4月8日の採血結果では,
  4〜5月頃には,腎機能の廃絶が推測できました.
  

同じ時より,
  受診→毎日点滴による治療介入(赤色)
  受診→週3回の皮下注射(オレンジ色)
  自宅→週3回の皮下注射(青色)
  皮下注射の中止(空欄)
  ↓ 腎機能の低下を認める
  自宅→1回/3日の皮下注射(紫色)の再開
  
治療開始によって,腎機能の改善が認められ,
  黒→緑色の様に,傾きの勾配が小さくなり,
  腎不全の予後の改善を認めています.

採血検査の結果,腎機能が維持されたのを確認し,
皮下注射を中止(水や食事がしっかり取れる様になったため)すると,
次の採血検査では,腎機能の悪化を認めました!!

皮下注射は,生理食塩水・2号の維持輸液を用いていますが,
  どちらを使っても,
  腎機能には良い影響を与えていることが分かりました.
(注射の継続・中止については,かかりつけの先生とご相談下さい)

1症例(17歳)ですが,腎機能が低下している猫には,
  継続して皮下注射することが大事であることを経験しました.

現在の採血結果では,1/cr ≤0.1は,2015年6〜7月頃になると推測されます.

  回帰直線について,
  対になったデータxiとyi(i=1,2,…,n)から単回帰式y=a+bx

  最小2乗法では傾きb(回帰係数と呼びます)
  は次のようにして求められます。
  (a:切片,b:回帰係数)を求めるには以下の数式を用います.


  x¯:xの平均値,y¯:yの平均値
  b = (xiとyiの共分散)/(xの分散) =  Σ{(xi-x¯)(yi-y¯)}/ Σ(xi-x¯)^2

猫 腎不全を経験した皆さんが,下記のデータの御協力(不足してもOK)いただけるようでしたら,
猫のCrと予後の計算式について,算出したいと考えております.

(1)猫の実年齢
(2)体重
(3)種類
(4)性別(オス・メス)
(5)腎機能(クレアチニン・尿素窒素)
(6)治療介入時期(種類:点滴・皮下注射) 
(7)地区(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)

 その他,皆さんと共有したい事があれば,追加して教えてください.
 みなさまの御協力をお待ちしております.


論文作成 論文を作る前にすることリスト5箇条 2014年3月16日(日)

①これから作成する論文が,既に発表されている内容なのかを確認する.
 →類似する論文,批判的な論文を探す.

②自分の論文があることで,世の中・患者の役に立つのか,将来的に役に立つのか考慮する.
 →この信念が強くなければ,査読者からの「ありがたい」指摘により,心が折れます.

③何を知ってらいたいのか,何を主張したいのか目的を考慮する.
 →1つの論文で,1つの目的(思い)を伝え無ければいけません.

④目的を達成するためには,どのような項目を用いて評価すべきか考慮する.
 →現在用いられている項目,自分が試したい項目を選びます
 例)臨床治験では,現在用いられている薬品Aと,これから販売される薬品Bとの比較

⑤作りたい論文の内容について,同僚・スタッフ・患者・配偶者に説明する・評価を聞く.
 →素人が分かるように説明できることで,論文の書く内容が丁寧になります.
 →気付かなかった疑問点を明らかにしてくれる場合もあります.