猫を人間にたとえると... (猫 腎不全)
インターネットで検索すると,よく出ています.
猫は,水あまり飲まないために,腎不全になりやすい動物ですが,
猫のクレアチニン(Cr)とその予後の計算域の報告は,
人間と違って少なく,また猫のCrは、0.7〜2.5と
人間と比べると基準値の幅が大きいことが特徴です.
猫の腎機能については,変換値は調べていませんが,
ヒトと同じように,1/Crで表を作ってみました.
受診→毎日点滴による治療介入(赤色)
受診→週3回の皮下注射(オレンジ色)
自宅→週3回の皮下注射(青色)
皮下注射の中止(空欄)
↓ 腎機能の低下を認める
自宅→1回/3日の皮下注射(紫色)の再開
治療開始によって,腎機能の改善が認められ,
黒→緑色の様に,傾きの勾配が小さくなり,
腎不全の予後の改善を認めています.
採血検査の結果,腎機能が維持されたのを確認し,
皮下注射を中止(水や食事がしっかり取れる様になったため)すると,
次の採血検査では,腎機能の悪化を認めました!!
皮下注射は,生理食塩水・2号の維持輸液を用いていますが,
どちらを使っても,
腎機能には良い影響を与えていることが分かりました.
(注射の継続・中止については,かかりつけの先生とご相談下さい)
1症例(17歳)ですが,腎機能が低下している猫には,
継続して皮下注射することが大事であることを経験しました.
現在の採血結果では,1/cr ≤0.1は,2015年6〜7月頃になると推測されます.
回帰直線について,
対になったデータxiとyi(i=1,2,…,n)から単回帰式y=a+bx
最小2乗法では傾きb(回帰係数と呼びます)
は次のようにして求められます。
(a:切片,b:回帰係数)を求めるには以下の数式を用います.
x¯:xの平均値,y¯:yの平均値
b = (xiとyiの共分散)/(xの分散) = Σ{(xi-x¯)(yi-y¯)}/ Σ(xi-x¯)^2
猫 腎不全を経験した皆さんが,下記のデータの御協力(不足してもOK)いただけるようでしたら,
猫のCrと予後の計算式について,算出したいと考えております.
(1)猫の実年齢
(2)体重
(3)種類
(4)性別(オス・メス)
(5)腎機能(クレアチニン・尿素窒素)
(6)治療介入時期(種類:点滴・皮下注射)
(7)地区(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)
その他,皆さんと共有したい事があれば,追加して教えてください.
みなさまの御協力をお待ちしております.
論文作成 論文を作る前にすることリスト5箇条 2014年3月16日(日)
①これから作成する論文が,既に発表されている内容なのかを確認する.
→類似する論文,批判的な論文を探す.
②自分の論文があることで,世の中・患者の役に立つのか,将来的に役に立つのか考慮する.
→この信念が強くなければ,査読者からの「ありがたい」指摘により,心が折れます.
③何を知ってらいたいのか,何を主張したいのか目的を考慮する.
→1つの論文で,1つの目的(思い)を伝え無ければいけません.
④目的を達成するためには,どのような項目を用いて評価すべきか考慮する.
→現在用いられている項目,自分が試したい項目を選びます
例)臨床治験では,現在用いられている薬品Aと,これから販売される薬品Bとの比較
⑤作りたい論文の内容について,同僚・スタッフ・患者・配偶者に説明する・評価を聞く.
→素人が分かるように説明できることで,論文の書く内容が丁寧になります.
→気付かなかった疑問点を明らかにしてくれる場合もあります.