医療系ソフト開発血ガスくん

参考文献 2016/04/22修正


血ガスの評価は,

 


下記の本を参考に,プログラムを作成・修正しています.

血ガスで大事であると主張している著者の共通部分は,血中Na,ClおよびK,尿中生化学が多いので,

〇(詳しい記載あり)と×(詳しい記載なし)で評価しています.

独断と偏見なので,異論・疑問がございましたら,ご連絡ください.

 

 


著者様からのご意見も,ぜひ,お願いします.

本の番号は,読んだ順に書いてありますので,悪意はありません.

 

 


 

 


【Version情報】

2015/10/30:⑨を追加

2015/11/16:⑩,⑪を追加

2016/04/22:⑫,⑬を追加

 

version 101

2017/03/10:⑭を追加しました!


 

タイトル

作者

 出版社
 


参考にした


出版年度


血ガスを勉強する上での長所

血ガスを勉強する上での短所

Na,Clの使用

 Kの使用

尿生化
 


1

血液ガス・酸塩基平衡に強くなる  白髪 宏司  羊土社
2013年(第2刷) 
・症例および症例における解説を中心とし,血ガスを考えるプロセスを大事にしている.

・K値からの血ガスの評価をしている.また,症例数が多い.
・マイナーな疾患がおおい,特に,小児の偽性低アルドステロン症が目立つ


×

2
Dr.大塚の血液ガスのなぜ?がわかる―基礎から学ぶ酸塩基平衡と酸素化の評価
大塚 将秀

学研メディカル秀潤社

2012年(第1刷) 

・テキストの内容自体は,血ガスを考える上で,基本的な内容が分かりやすく説明がある.

・症例(練習問題)は,酸素投与例が多く,血ガスから鑑別するという練習には向かない.

・練習問題(難)になると,血ガスの結果からだけでは判断できないのを提示している.

×

×

×

3

 血液ガス・酸塩基平衡教室―呼吸尾崎塾 おもしろいほどスラスラわかって臨床につかえる

尾崎 孝平

メディカ出版

2009年(第1刷) 

 

 

 

 

 

4

シチュエーションで学ぶ 輸液レッスン

小松 康宏

メジカルビュー社

2011年(第1刷) 

・血ガスの考えるプロセスだけでなく,実践的な治療方法,尿生化からの鑑別診断も重要視している.

・対話形式にしており,分かりやすい.

・呼吸性アルカローシス/代謝性アルカローシスの判断しやすいように説明している.
・練習問題では,代謝性か呼吸性かのやり方について,システマチックに書いていない.



5

 輸液処方の実践に活かす水・電解質・酸塩基平衡の基本 11日間マスター

大平 整爾

診断と治療社

2010年(第1刷) 

・p64に呼吸性・代謝性の判断を詳しく書いている.

・血ガスを解釈するプロセスが詳しく書いてある.

・診断だけでなく,治療方針・治療内容まであり,臨床的である.
・輸液,Ca,Mgなどもあり,初級で読むにはやや難しい




初心者でもわかる. 血液ガスの見方・読み方

安保 浩二

 www.osaka-amt.or.jp/news/20140901.pdf

 

・血ガス結果だけでなく,病態を背景として考えるように記載している.

・症例が豊富である

 


×

×

7
認定医・専門医のための輸液・電解質・酸塩基平衡 下澤 達雄 中山書店 2013年(第1刷)  ・症例数が50例と多く,臨床の流れに即して治療方針が決まっていく. ・輸液がメインであり,血ガスが主体の考え方で進められていない.

・血ガスの勉強がしたいという人にとっては難しい内容いなる.

×


×

8
楽しく学べる血ガスと呼吸整理 滝沢 始 弘文堂 2014年(第1版)  ・なんといっても,とても読みやすい.

・前半に血ガス,後半に呼吸機能検査がある.

・理解度チェックに,確かめクイズがある.

・スパイロメトリーに興味が無ければ,全く意味のない後半部分になる.


 

 

 

9

電解質輸液塾

門川俊明

中外医学社

2013(第2刷)

・バスの中でも読めるぐらい分かりやすい.

・テーマ04から血ガス評価が始まり,7症例しかない




10

酸塩基平衡,水・電解質が好きになる

今井裕一

羊土社

2015(第10刷)

・とても分かりやすい.

・血ガスの結果から,どのような治療方針に進むか,臨床に直結する.

・ほかの本にはないADH,体重,脱水の評価がある.

・症例が盛りだくさん,沢山あって楽しい.

・「血ガスくん」がフル活用されて,臨床診断に すぐにつながることが確認できた.

・Ca,Mgの症例が出てくる珍しいが大事な問題もある.


・血ガスだけでなく,途中,3-4第だけであるが,   

 輸液の問題がでてくる.




11

輸液ができる,好きになる

今井裕一

羊土社

2015(第7刷)

・10より少ないが,血ガスの問題があるので,購入

 

 

 

 

12

超入門!水電解質,酸塩基平衡

菱田 明

総合医学社

20111年(第1刷)

・実際的な臨床診断ではなく,考え方のプロセス(step1-3)を

 症例に対して,丁寧に説明している.

 ・演習問題が多い→血ガスくん(第9章以外)はよく合致する.
 

【第9章は,総まとめ】

 ・代償反応(呼吸性・代謝性)をしっかり考えさせる
 

AGの重要性を中心に考えさせる

 


【第10章】

 ・臨床に合わせた血ガスの評価を行う

・第9章では,Na,Clなどの情報が無く,

  初めからAGが計算されているのが残念.
 ・鑑別診断まで至っておらず,


 最後は,まとめの表で確認する形式になっているので

 血ガスくんの最終診断(グレー色)への記載が出来ない

 ↓

 勉強にとても役立つが,血ガスくんとの相性は良くない

 ↓

 第10章で解決





13

水・電解質と酸塩基平衡 (改訂第2版)
step by stepで考える

黒川 清 南江堂 2014年(第10刷)

・1症例毎丁寧に説明しており,タイトル通り,step by stepの考え方になっている

・診断後から,治療方針の説明があり,擬似体験ができる.

・血ガスについては,130ページ(全体200ページ)から始まるので,1/3程度の厚みになる




×

14

そこが知りたい!

動脈血液ガス 一刀両断!

Iain A M Hennessey

Alan G Japp

監訳 徳田安春

編集 萩原祐亮

三和書店 2017年

・症例数が多い(28症例)

・解説が丁寧

 

   

AG(アニオンギャップ)のステージ分類を追加 2016/4/24

本屋さんをのぞいてみたら,今まで見たことのない血ガスの本に出合いました.

2011年の出版なので,気付きませんでした.

超入門!水電解質,酸塩基平衡(菱田 明)になります.

この本の著者は,AGについて,とても丁寧に説明し,

AGの視点から重症とか中等度とかを判断されていました.

何を根拠にそんなことを言っているのか,文献を探してみました.

下記に記している論文で,
AGの大きさによって,重症度が4ステージに分けられています.

本ソフト「血ガスくん」もAGのステージ分類を追加し,

ステージによって,すぐにわかるように色分けしました.

 

引用文献は,

The association between initial anion gap and outcomes in medical intensive care unit patients


全体画像


左は,臨床診断する上で,必要な情報を装備しています.

右は,血ガスの結果に至るまでの考え方,鑑別診断に必要な情報を装備しています.

左側の説明 (入力と選択ボタン)

①基本入力項目(手入力)
 緑枠に必要な血ガスの項目の入力を行います.
 
②血糖値の入力(選択)
 高血糖によるNaの補正をするかどうかを決めます.
 
③アルブミン補正(選択)
 AGのアルブミン補正を行います.
 
④急性期,慢性期の臨床判断(選択)
 急性期なのか慢性期なのかを判断します.
 臨床に合わせて,評価を行ってください.
 →判断に迷った場合,血ガスの結果から自動評価できるボタンを用意しています.
 
⑤酸素の投与方法(選択)
 なし   :酸素投与なし
 カニューレ:1L/min?6L/minから選択します.
 マスク  :5L/min?7L/minから選択します.
 リザーバ :6L/min?10L/minから選択します.
 人工呼吸器:FiO2(0.00-1.00)で入力してください.
 
⑥評価(自動判定)
 約200種類の鑑別から,血ガスの診断の補助を行います.
 Primary Disorder 総合評価を自動評価しています.
 灰色枠        詳細な診断を提示しています.
 
 灰色枠には,症例についても記載しています.症例の番号は,引用した本の番号を示しています.
 必要に応じて,ネット検索,場合によっては,本を購入等されると著者さまも喜ぶのではないでしょうか.
 
β版なので,結果のID番号がついています(写真7-4-0).

臨床判断の補助計算

⑦RTA(尿細管性アシドーシス)の確認
 評価の後に,鑑別するのに,さらに必要な尿生化の検査を用いる時に使用します.
 【RTAの確認】では,尿中Na,K,Clの入力を行い鑑別診断を推測します.
 
⑧呼吸不全の評価
 PAO2,p2,AaDO2,PACO2/PaO2,はいないシャント率,PaO2/FiO2を自動算出し,
 人工呼吸器の適応等の判断の補助を行います.
 
⑨メイロンの投与量
 メイロンの投与が必要と判断される症例(代謝性アシドーシス)に対して,投与量を計算します.
 a)8.4%または7%のどちらかを選びます.
 b)体重
 a,bを入力すると,必要と雨量の半分量(ml)が計算結果として算出されます.
 
⑩原発性アルドステロン症の鑑別
 原発性アルドステロン症の鑑別に必要な項目から,自動計算できるように用意しています.
 鑑別に必要になった場合,用いてください.

右側の説明 (血ガスの考え方と鑑別診断)

⑪NaとClからのFirst impression

 NaとClで,First impression(アルカローシス,アシドーシス)の自動評価を行います.

 

⑫呼吸性代償機構の評価

 ・【pH】からみた呼吸性代償機構の自動評価を行います.

 ・【HCO3】からみた呼吸性代償機構の自動評価を行います.

 

⑬代謝性代償性機構の評価

・HCO3とHCO3- の限界値の差から,腎の代謝性代償性機構を自動評価を行います.

 

⑬主要因子

 異常値のでる主な因子について,「呼吸性」なのか「代謝性」なのか自動評価を行います.

 

⑭pHからの推定Kの評価

 ・症例が腎障害の有無があるか選択(緑枠)します.

 ・Kの数値によって,診断の補助となります.

 

⑮実測pHと予測pHの比較

 ・実際のpHと予測pHを比較し,整合性の確認・評価を行います.

β版なので,結果のID番号がついています(写真2-0-2).